『Histoire of Eternto−イストワール オブ エテルノ−』 第8話 四ヶ国、円卓会議 ≪登場人物≫ ラキア♀(28歳):法国ルミナシアの大司教。 シエル♂(24歳):法国ルミナシア、聖都シュティレーゼ、聖騎士団騎士団長。 ゲーエン♂(58歳):法国ルミナシア、宰相。 スレイヴ♂(41歳):共和国ランガルト、首都フラーテルギルド蒼穹の燕、団長。 ベルヴァルク♂(28歳):帝都センテリオ、オルディネガルデリア軍 将軍。 レヴァンダ♀(25歳):帝都センテリオ、オルディネガルデリア軍 副将。 ルチオ♂(30歳):王国シルヴェスタ、魔学研究機関ヴァールハイトハルク 最高責任者 ユアン不問(22歳):共和国ランガルト、首都フラーテルギルド蒼穹の燕、団員。 ハザル♂(28歳):各国を渡り歩いている傭兵。 セグレート♀(19歳):王国シルヴェスタ、王都エンジール、司祭。 【HPはこちら】 キャラクター詳細や世界観は此方で確認お願いします。 【役表】 シエル: ルチオ: ラキア ユアン: ゲーエン: ベルヴァルク: レヴァンダ: セグレート: スレイヴ: ハザル: *0*−00−0*0−00−*0*−00−0*0−00−*0*−00−0*0−00−*0*− ≪円卓会議≫ ゲーエン:「各国の皆様。 この度は緊急招集につきまして、ご足労感謝いたします。 私は、法国ルミナシアの宰相を勤めております、 ゲーエン=エルヴィスと申します。 円卓会議の進行につきましては、私が行なわせて頂きます。 (一息着いて全員の顔を確認する) アルシャディアの創造主で在られる、 女神ヴァレスティア様の御名のもと、 約束されし真実と調和を、守護獣の名に掲げ、 共に誓いを交わして頂きたい。」 ゲーエン:「法国ルミナシアより、聖セレスティア教会 大司教(アークビショップ)ラキア=コンラート殿。」 ラキア:「はい。“大鷲の紋章”守護獣コモラに誓います。」 ゲーエン:「王国シルヴェスタより、魔学研究機関ヴァールハイトハルク 最高責任者、ルチオ=カサモラータ殿。」 ルチオ:「はい。“白馬の紋章”守護獣チェレネに誓って。」 ゲーエン:「帝国オルディン国より、帝国軍ルディネガルデリア副将、 レヴァンダ=オルグリオ殿。」 レヴァンダ:「はい。“獅子の紋章”守護獣ニエンテに誓います。」 ゲーエン:「共和国ランガルトから、ギルド代表蒼穹の燕(エンペリアン シュヴァルベ) 団長、総指揮官スレイヴ=グローリア殿。」 スレイヴ:「“精霊の紋章”守護獣ピルカに誓う。」 ゲーエン:「ご協力ありがとうございます。 ご同行頂いた方々については、 別室にある傍聴室で待機して頂いております故、ご安心して下さい。」 ラキア:「『Histoire of Eternto(イストワール オブ エテルノ)』 第8話 四ヶ国、円卓会議」 ゲーエン:「それでは早速本題に入らせて頂きます。 書状にも記載した内容の復唱となりますが、 先日、ルミナシアは何者かに襲撃され、多大な被害を被りました。 結界の崩壊により、多数の魔物の侵入がありましたが、 聖騎士団と有志の協力により、事態は一旦収拾致しました。 街全体の被害は総額にすれば一千ディア程です。 死亡者こそ出ておりませんが・・・ 軽傷者が多数、との報告を受けております。 結界の補修は数日前に終わっている状態ですが 完全修復には、後2〜3週間程かかると見越して御座います。」 レヴァンダ:「状況は把握しました。」 ゲーエン:「さて、ランガルト側からも同様の被害があったと伺っておりますが、 ご報告願えますかな?」 スレイヴ:「了解。こちらも、数日前に何者かの襲撃を受けた。 一度目は西(デュシス)方面を広範囲によって破壊され、 時間差で二度目は東(シャルク)方面に。 こっちの規模はそれ程大きくなかったが、 聖都と同様、多数の魔物の侵入があり、 四大ギルドの早急な働きに寄って事態は収拾できた。 被害総額としたら三千ディアって所だな。 被害の割に軽傷者は数人程度で、勿論 死亡者は0。 結界の補修は急ピッチで行なっている最中だが、 二箇所含め、完全修復には一ヶ月以上は掛かる見込みだ。」 ルチオ:「どちらも同時期に同じような手法で 襲撃をされているわけですか・・・。」 レヴァンダ:「失礼。 その襲撃犯とやらの目処はたっておられるんですか?」 ゲーエン:「えぇ。確信とまでは至っておりませんが、 襲撃時に現れた異質な人物の特定は出来ております。」 レヴァンダ:「異質・・・?」 ラキア:「つまり、その場にそぐわない人物が存在していた、 という事になります。」 スレイヴ:「・・・っ、なるほど。 ってことは、それすらもこっちと似通ってる訳か。」 ゲーエン:「ほぅ、そちらもですか。」 スレイヴ:「えぇ。うちのギルドに、 その異質な存在と接触した人間がいましてね。」 ルチオ:「・・・察するに、 ルミナシア側も接触していると捉えて、間違いではないですか?」 ゲーエン:「お察しの通りです。」 ルチオ:「どうにも犯人側の意図には、 敢えて、発見させる狙いがあると思えて成りませんね。」 ラキア:「或いは、純粋な破壊活動の線も、可能性が無いとは言い切れません。」 ルチオ:「確かにそうですが。 結界の破壊が目的と言う割には、余りにも仕事が雑すぎませんか? 工作活動としては、穴だらけです。」 レヴァンダ:「推測だけで話を進めても目的が明確になるわけでは無いでしょう。 他に、確信に変わる証拠でもあれば話は変わりますが・・・。」 スレイヴ:「その事だが、犯人に関して少し気になる事があってな。」 ルチオ:「なんでしょうか?」 スレイヴ:「フラーテルを襲撃した犯人は、そこに居るはずのない異質な人物。 そいつは“白馬の紋章”を纏っていたという情報だ。」 ルチオ:「おや、面白い事になってますね。」 スレイヴ:「改めて思ったのは・・・ そんな穴だらけの犯行を果たして、シルヴェスタ側が行なうか、だが。」 ルチオ:「混乱を招く、という発想で言えば。 可能性として在り得ますね。」 スレイヴ:「実際の所は?」 ルチオ:「全く存じ上げない事実です。 そもそも、我々シルヴェスタは、 ルミナシアとランガルト共に、交易関係にありますから、 自らの国を追い込む様な真似をする筈がありません。 何故わざわざデメリットになるような事をしなければ ならないのでしょうか?」 スレイヴ:「仰るとおりで。」 ラキア:「その件なのですが。」 ルチオ:「ルミナシアも同じ事を仰るおつもりですか?」 ラキア:「いえ、我々の場合“獅子の紋章”を纏った者です。」 レヴァンダ:「・・・。」 ゲーエン:「オルグリオ殿、何かございませんか?」 レヴァンダ:「覚えの無い話です。ですから それ以上に申し上げる事はございません。」 スレイヴ:「それだけじゃ説得要素が足りないと思うが。」 ルチオ:「オルディンは何処とも友好関係にある訳では在りません。 言うならば独裁国家そのものですから、 しっかり釈明をしなければ、疑いは深まるばかりですよ?」 レヴァンダ:「妄想を膨らますのはそちらの自由です。 我々はどう解釈されようと一向に構いません。」 ルチオ:「おや、振られちゃいましたね。」 レヴァンダ:「安い挑発に乗るつもりは御座いませんので。」 ルチオ:「残念です。」 レヴァンダ:「・・・。」 ルチオ:「先程も申し上げましたが、 我々は全く覚えが在りませんので、他の可能性として 第三勢力の存在を上げさせて頂きます。」 スレイヴ:「第三勢力か。単純に考えれば やり口が荒く、ゲリラ的とも言えるのか。」 ルチオ:「そういうことです。濡れ衣を着せるにせよ、 我々シルヴェスタに対して 浅はかであるとしか言いようが在りませんね。」 レヴァンダ:「その点に関してはシルヴェスタに同感です。 我々オルディンにしてみれば既に、 浅はか、など言う言葉で済ませられる内容ではありません。」 スレイヴ:「なんだ、オルディンは真犯人でも捕まえて 何かするつもりか?」 レヴァンダ:「お答えする義理はありません。」 スレイヴ:「随分、勿体ぶった言い方をするな。」 レヴァンダ:「そんなに、お聞きになりたいのですか?」 スレイヴ:「いや、やめておこう。楽しい話でも無さそうだしな。」 レヴァンダ:「・・・。」 ゲーエン:「そうですね・・・。 両国とも、確実に疑いが晴れたわけでは在りませんが、 この件に関しては後日、待遇を考案する事にしましょう。」 ラキア:「分かりました。」 ゲーエン:「此処からは、今しがた浮き彫りになった 第三勢力についての議論を始めましょう。」 スレイヴ:「可能性としては、無きにしも非ずか。」 ラキア:「そもそも、犯行を行なった目的はなんでしょう?」 ルチオ:「今予測される犯行動機としては、二つ在ります。 一つ目は。結界を壊し、各国の要人を 犯人に仕立てあげることに寄って、戦争を引き起こさせる。 二つ目は。結界を壊し、魔物を侵入させ首都の壊滅を目論む。 ですが、両国の被害の様子から伺うと こちらの線は薄くなりますね。」 レヴァンダ:「一つ目にしても、第三勢力の線が出てきた現在、 戦争を引き起こさせる事に関して、 そこまで効力があるとは思えないのですが。」 ラキア:「もし、今回の襲撃が試験的なものだとしたら?」 レヴァンダ:「どういうことです?」 ラキア:「結界の破壊は二次的なものであり、 本命は、大量の魔物を侵入させ首都を壊滅させる事。 今回の襲撃は、実験の様なものかも知れないという事です。」 ルチオ:「それでは・・・。犯人に仕立てあげる、 という行為に対して、どうお考えですか?」 ラキア:「今現在、釈明はあったものの、 確実に嫌疑が晴れているわけでは在りません。 その内なる闇、それが目的ではないでしょうか?」 ルチオ:「ほぅ、ますます面白い事になってますね。」 レヴァンダ:「低レベルな思考に、笑いすら覚えます。」 ゲーエン:「ふむ・・・そこで、それらを踏まえたうえで。 二つ目の議題に入らせて頂きたい。」 レヴァンダ:「・・・その様な話、 書状には記載されていませんでしたが。」 ラキア:「ご安心下さい。全てが通ずる話なので 書状に書かれていた内容とは異なりません。」 レヴァンダ:「・・・分かりました。」 ゲーエン:「では、改めて。コンラート殿。」 ラキア:「はい、説明いたします。聖騎士団上部及び セレスティア教会の上部を含む先遣隊を派遣し、実地調査を行ないました。 この調査を実施するに至ったのは、 それ以前に、結界内からの救援要請があったからです。」 スレイヴ:「救援要請って事は、魔物が関係してることか?」 ラキア:「はい。要請があった場所に向かった聖騎士団からは、 結界は既に破壊されており凶暴化した大量の魔物によって 半壊状態に追い込まれていたという報告が上がっております。」 レヴァンダ:「どういうことですか? 魔物は本来、結界に守られた人里に近づく事は無い筈。 それが、破壊され凶暴化した魔物に半壊させるまでに至った。 そのような話、2000年の歴史の中で聞いたことがありません。」 ラキア:「えぇ。 ですから我々は、魔物に関する異変の調査を行ないました。 近年稀に見る魔物の増加は個々で察知する程度では在りましたが、 此処最近で、急激に増加し、凶暴化する傾向にある事が判明致しました。」 ゲーエン:「仮定の話にはなりますが、 第三勢力がこの異変を認知していたとしましょう。 その上で、結界を破壊し凶暴化した魔物を大量に侵入させ、 首都の壊滅を目論む。・・・これで辻褄はあいます。」 レヴァンダ:「漸くはっきりした形が見えてきましたね。」 スレイヴ:「確かにそうかも知れないが、あくまで仮定の話。 信憑性は欠けると思われます。」 レヴァンダ:「申し上げますが、此処までの話し合いで 核心に迫った仮説が在りましたか?」 スレイヴ:「それを言われちゃ、返す言葉も無い。」 レヴァンダ:「・・・事実を述べたまでです。」 スレイヴ:「所で、ゲーエン殿。」 ゲーエン:「何でしょうか。」 スレイヴ:「結界を壊す方法については触れていないようですが。」 ゲーエン:「残念ながらお話出来るまでには至っておりません。」 スレイヴ:「・・・そうですか。」 ラキア:「その様子ではフラーテル側も。」 スレイヴ:「(頷く)」 ゲーエン:「襲撃犯から答えを導き出す事が、一番の解決策ですが 現段階では双方とも逃げられてしまっています。 ですから、違う方法を探す他無いかと。」 スレイヴ:「他の方法・・・ねぇ。」 ルチオ:「失礼。 今此処で分からない事に対して 足踏みをしていても仕方ないと思いますよ。 結界の破壊方法については 我々の方でも追って調査致しますので。」 ラキア:「分かりました、それでは話しを戻しましょう。」 スレイヴ:「ん、それで・・・、 魔物の増加と凶暴化はルミナシア地域だけか?」 ルチオ:「その件に関しては、 こちら側でもその現象が見られています。」 ラキア:「シルヴェスタもですか?」 ルチオ:「はい。シルヴェスタ国内でも 同じような異変が数年前からありまして、 私の研究機関で、独自に調査を行なってはいるのですが、 今の所、真相に迫った結果は得られていません。」 レヴァンダ:「・・・・。」 ルチオ:「風の噂で、オルディンも 独自で調査を行なっていると、聞きましたが。 どうですか?」 レヴァンダ:「噂は噂。我々が語れる事は何一つ。」 ルチオ:「意味深ですね。取り敢えずは、 そう言う事にしておきましょう。」 レヴァンダ:「・・・。」 ラキア:「ルミナシアは、確信に近いものを得られています。」 ルチオ:「それが先程仰っていた、 全てに通ずる部分になるんですね。」 ラキア:「はい。」 ルチオ:「お伺いしても宜しいですか?」 ラキア:「えぇ、襲撃事件があった日の午前。 女神ヴァレスティア様から神託が在りました。 そう遠くない未来に、大きな災厄が訪れると。」 ゲーエン:「我々は、こう考えております。魔物の異変。 そして、それを利用しようとしている第三勢力。 その全ての異常が、いずれ来たる災厄の前兆では無いかと。」 ルチオ:「なるほど・・・。」 ラキア:「当然、現段階で最優先に行なうべきは第三勢力の特定でもあります。 ですが、今回の襲撃時や結界外の被害を含め、 早急に魔物への対策を練らなければなりません。」 スレイヴ:「そちらを先決すれば、必然的に第三勢力の目論みも 効果としては薄められるって事か。」 ゲーエン:「お察しの通りです。 いくら各国の軍事勢力が整っていたとしても 捨て置けば、魔物は無尽蔵に増え続けます。 いずれ人の手に追えなくなるでしょう。 ですから、手遅れになる前に各国の協力を募りたいのです。」 レヴァンダ:「御言葉ですが、具体的な対策はお持ちなのですか?」 ラキア:「勿論です。それは・・・ 女神の心、古代に眠りし希望の光を開放する事。 それが、現在我々が考えている対策です。」 スレイヴ:「希望の光?」 ゲーエン:「女神ヴァレスティア様から与えられし、八つの神具です。」 スレイヴ:「天地戦争と女神の制約に出てくる伝説の武器ですか。」 ゲーエン:「はい。」 ラキア:「神具の力を結集、及び開放し、 女神ヴァレスティア様を復活させることによって アルシャディアを再生させることが可能となる。 それが、魔物の異変を根本から食い止める最善の方法です。」 ゲーエン:「書物によれば、解放された神具は 神の如し業を発揮するそうで・・・ 今後、魔物との戦闘において、大いに活躍する筈です。」 ルチオ:「・・・。そこまでは理解できましたが。 その神具が悪用される可能性は、考慮していますか?」 ラキア:「心配に及びません。 神具を持つ事を許されているのは、 女神の加護を受けし者達の中から、 紡ぎし唄によって選ばれた者たちのみです。」 スレイヴ:「紡ぎし唄って言うのは?」 ラキア:「女神の誓約によって、神具を護っている者たちの事です。」 レヴァンダ:「理屈では理解できたとしても、 実際に動くと成れば、随分と荒行になりますが。」 ゲーエン:「ふむ。手当たり次第では無く、 資格がある者を的確に探すにはどうするか、ですね。」 レヴァンダ:「はい。」 ゲーエン:「そのことについてですが。 つい先日、決め手となるお話が在りまして。」 レヴァンダ:「・・・決め手、とは。」 ラキア:「選ばれし者が紡ぎし唄と共に神具を持って現れたのです。」 スレイヴ:「・・・。」 ラキア:「ですから、紡ぎし唄の近くに神具がある事は断定してもいいでしょう。 そして、選ばれし者達は神具と何かしらの縁(えん)で 繋がっているのではないかと。」 スレイヴ:「なるほど、“紡ぎし唄”が鍵になってるって事か。 だが、どうやってそいつらを探すんです。」 ゲーエン:「現在呼ばれている神具の呼称は、 英雄と同じ名だという事はご存知ですか。」 スレイヴ:「えぇ。」 レヴァンダ:「つまり・・・。 神具に縁(ゆかり)の在る者や場所を探れば 紡ぎし唄に辿り着く事が出来る。そう捉えていいですね?」 ゲーエン:「はい。」 ラキア:「神具の持ち主は彼らが選ぶのですから、 それが最善策かと思われます。」 ルチオ:「三つが揃って意味を成すもの、ですか。」 レヴァンダ:「しかし、そう簡単に遂行出来るものとも思えませんが。」 スレイヴ:「どうだろうな。 やってみない事には何も言えんだろ。」 レヴァンダ:「・・・分かりました。」(答えに不服そうして) ラキア:「我々の目的は、各国に散らばる紡ぎし唄と、 神具の捜索の協力を仰ぐことです。 それらが、アルシャディア再生の為の最善策と推定し 此処に提言致します。」 ゲーエン:「ルミナシアからは以上です。 各国のご意見を伺いたい。」 ルチオ:「そうですね、襲撃事件に関して言えば意見は変わりません。 我々とは無関係な人間、つまり、第三勢力による工作だと思います。 我が国の象徴“白馬の紋章”を悪用されたとなれば、 静観するわけにも行きません。 疑念を晴らし、今後の友好関係を保つ為にも 協力は惜しまないつもりですよ。」 ゲーエン:「それでは・・・。」 ルチオ:「えぇ。シルヴェスタは、ルミナシアの協力要請に応じます。 勿論、調査込みですから人もお貸しします。」 ラキア:「助かります。」 スレイヴ:「今回は被害者なんだが、 ランガルトとしても、 今後同じような事が起こるのは正直考えものだ。 丁度、ギルドに協力要請も出てた筈だしな。 この事態を打破する可能性が少しでもあるなら、協力はしようと思う。 が、生憎決定権は持ってないからな。 一度本国に戻って改めて書状を送ろう。 なんなら、ルミナシアとランガルトの保険として一人、 こっちに留まらせておくが・・・。」 ゲーエン:「ありがとうございます、その方が迅速な対応が望めますね。」 レヴァンダ:「私にも決定権は御座いませんので、ランガルト同様 オルディンも後日返答させて頂きます。」 ゲーエン:「分かりました。良い返事を期待していますよ。」 レヴァンダ:「・・・・。」 ≪傍聴室≫ ユアン:「神具を解放し、女神を復活させる事による アルシャディア再生・・・。」 ハザル:「・・・。」 ユアン:「具体的に、再生ってどういう事を指してるんでしょうか。」 ハザル:「誰も知るすべは無い。」 ユアン:「そう、ですよね。」 ベルヴァルク:「異質だな。」 ユアン:「っ?」 ハザル:「・・・・。」 ベルヴァルク:「・・・お前は何者だ。」 ハザル:「・・・。」 ユアン:「その・・・。」 セグレート:「(食い気味)ぎ、議会が、そ、そろそろ終わりそうですよ?」 ユアン:「そ、そうですね。」 セグレート:「あ、あの。えっと、申し遅れました。 わ、わわ私はシルヴェスタからやって、きました。 司祭(ビショップ)の、セグレート=ソヴァールで、です!」 ユアン:「あ、えっと。ランガルトから来ました、 ギルド、蒼穹の燕(エンペリアン シュヴァルベ)の ユアン=イグニスです。 フード被ってる人はハザル=ジュリアスさんです。」 ハザル:「・・・・。」 ベルヴァルク:「・・・ハザル?」 セグレート:「よ、よよよ宜しくお願いします。」(勢いよくお辞儀をする) ユアン:「よ、宜しくお願いします。あの、もし体調が悪いようなら・・・」 セグレート:「(食い気味)あっ! えっと、 ひ、人見知りなだけ、なんですっ。」 ユアン:「そうなんですか・・・。」(苦笑) セグレート:「も、もう一人の方は・・・、 ど、どなたなんですかね?」(コッソリ) ベルヴァルク:「・・・・・。」 (傍聴室に入ってくる) 【ノック音】 レヴァンダ:「失礼、ガードナー将軍。 会議が終わりましたのでお迎えに上がりました。」 ベルヴァルク:「・・・・スグに帰還する。」(去る) レヴァンダ:「畏まりました。」(去る) ユアン:「行っちゃいましたね。」 セグレート:「か、会議が、終わったと言うことは、 ルチオさんも、そろそろ・・・。」 (傍聴室に入ってくる) 【ノック音】 シエル:「失礼します。長らくお待たせ致しました。 只今、手続きを行なっている為もう暫くお待ち下さい。」 ユアン:「あの。」 シエル:「何か?」 ユアン:「今出て行った方は・・・。」 シエル:「あぁ。オルディンからいらした、 ルディネガルデリア軍の将軍、ベルヴァルク=ガードナー殿です。」 セグレート:「な、なななんで議会に出ないで此処に、い、いたんですか?」 シエル:「自ら望んで傍聴に回られたと聞きましたが。」 ユアン:「将軍といえば、 国内でも最高位に近い権力を持つ人・・・ですよね? どうして、直接会議で発言なさろうとしないんでしょう?」 シエル:「噂に聞けば、多くを語ろうとしない性格の御方、らしいですよ。」 ユアン:「そ、そういう理由で・・・?」 ハザル:「若くして多くの武勲を立てた武人でもある。」 シエル「言葉より、剣の腕で政治するほうが 向いてらっしゃる御方なんでしょう。 ま、私もあまり人のことは・・・ん?」 ユアン「なるほど・・・ガードナー将軍、不思議な方ですね。」 シエル「えぇ、ところで・・・」 セグレート:「(食い気味)あぁっ!!」 ユアン:「ど、どうしたんですか?」 セグレート:「反応があったんです!」 (地響き) ユアン:「っ! 今揺れませんでしたか?」 シエル:「揺れましたね・・・。」 セグレート:「こ、これは大きいですよぉ!」 シエル:「お、落ち着いて下さい! 状況が全く読めないのですが。」 セグレート:「と、兎に角急ぎましょう!」(テラスに出る) ハザル:「・・・っ!」 セグレート(声):「あわわっ、これは凄いです!! み、みなさんこ、こちらです!!」 ユアン:「えっと・・・?」 ハザル:「テラスだ。」 シエル:「様子を見に行って見ましょう。」 ユアン:「はい。」 ≪テラスに出ると結界のスグ近くで 大型の魔物が結界を壊そうと暴れている≫ シエル:「なっ!?」 ユアン:「っ!? 大型の魔物が結界を壊そうとしてるっ! 一体どういうことですか?」 セグレート:「つまり、こ、こういう事なんです!」 ユアン:「え? あの・・・。」 ハザル:「先に行く。」(去る) ユアン:「は、ハザルさん!? あ、行っちゃった。」 シエル:「申し訳ないですが、私も席を外させて頂きます。」 ユアン:「お気をつけてっ。」 シエル:「有難う御座います。それでは、失礼します。」(去る) セグレート:「ゆ、ユアンさん! わ、私たちも い、急いで行きましょう!」 ユアン:「わ、分かりました。」 シエル(M):「全てが解決したとは言い難いが、 法国ルミナシアが催した円卓会議の目的は、 果たされる事となった。 しかし、それと同時に更なる事態が聖都を襲っていた。」 ユアン:「次回『『Histoire of Eternto(イストワール オブ エテルノ)』 第9話 闇の鼓動」 もどる